先日、実家に忘れた荷物と共に様々な物資を母が送ってくれた。マスク、りんご2つ、実家近くのパン屋さんの食パン、炒り黒豆、湿布…ちょっと謎な物資のチョイスだが、実家に帰るとお菓子、調味料、お米、ティッシュなどなど…「これ持っていきな、これも持っていきな、これも入れておくからね」とたくさんのお土産を持たせてくれる母らしいチョイスでもある。
炒り黒豆は母がおつまみとしてよく食べていたものだ。いつもこれのストックがあったなぁと思いだしたり、小さな段ボールの中のスペースを埋めるため、という意図もあったのだろうとは思うが、その時キッチンにあったものを「これも、あっ、これも」とぽいぽい入れている母の姿が想像できたりして、なんだかほっこり。
母の優しさたっぷりの宅急便は、優しさが詰まりすぎているが故にわたしと夫の2人で頂くには少々時間がかかる。 わたしが好きなパン屋さんの食パンをよく送ってくれるのだが、平日の朝は朝食を食べることの少ないわが家では乾燥が進んでせっかく送ってくれたパンがどんどん美味しいパンから遠ざかっていってしまうのだ。
そんな時の救助策が、フレンチトースト。『フレンチ』と名がついているが発祥はフランスではなくアメリカで、フレンチさんが命名したと言われているそう(諸説あり)(おお、非日常感溢れるこの言葉を使う日が来るとは)。ちなみにフランス語だと、パン・ペルデュと呼ばれるそう。…言いにくい。直訳で『失われたパン』である。食べるまでに時間が経って乾燥したり固くなったパンを、美味しく食べるための料理という捉え方のようだ。
わが家では週末の夜に仕込んで、翌日に焼く。そうするとふかふかのフレンチトーストになる。コンビニで売っているフレンチトーストを批判するわけではないが、あれは買わなくなった。コンビニのそれを批判するわけではないが、卵液のたっぷり染み込んだふかふかフレンチトーストを食べてしまうと、あれはとても物足りないのだ。
もちろん今回届いた食パンも週末にフレンチトーストに。一緒に送ってくれたりんごをソテーにして添えて頂く。
レシピはこちら。
- 食パン(6枚切り) 3枚
- 卵(L) 3個
- 牛乳 300㎖
- 砂糖 大さじ3
- ラム酒 少々
- バニラエッセンス 2滴ほど
6枚切り食パン1枚に対して
卵1個:牛乳100㎖:砂糖大さじ1
わたしはいつもこの割合で卵液を作り、一晩浸けて染み込ませ、翌日にバターをフライパンに溶かして両面を好みの色になるまで焼く。たっぷりの卵液を用意し一晩浸けると、耳まで柔らかい、ふわふわ、とろとろのフレンチトーストができあがる。とろとろさを感じるにはあつあつのうちに食べることが重要なため、それを感じたい方は焼きあがったらすぐ食べてほしい。今回はりんごのソテーを添えたが、アイスを乗せたり他の果物を添えたりメープルシロップをかけたり…アレンジは無限にある。なにをしても美味しい。
ぜひ家で作ってみてほしい。『めんどくさい』という心の声がよく聞こえる。そんなの知らん。作ってみてほしい。わたしからしたら、こんなにも手間のかからない、小学生でもできることをめんどくさいと思うことが不思議でしょうがない。ラム酒とバニラエッセンスが無くても、たっぷりの卵液に一晩浸けるだけでおいしくできるから、ぜひ。作ってみてほしい。作ったあとには『めんどくさくないじゃん』と拍子抜けし、この美味しさにやみつきになるはずだ。
完食後のわが家のテーブル。『うちらしいな』と感じるアイテムが散らかっている。