車について、やっと書く。需要がある気はしていないのですがわたしと愛車について。
わたしが乗っているのは volkswagen type-1 …いわゆるビートル。正確な年式は分かりませんが’96か’97の白いメキシコビートルです。4速MT、左ハンドル、排気量は確か1580㏄、純正マフラーなのに初めてお会いした方には80%くらいの確率で「マフラー変えてあるんですか?」と質問されるような、カッコかわいいビートルです。
空冷VWにあまり関わることのない方には意外と最近の車じゃん、という小さな驚きがあるかもしれませんね。たぶん、第二次世界大戦頃?から様々な地域や法改正によって形を変えながら2003年?くらいまで生産されていた車だったはず。こんなに長い歴史を持つ乗り物ってなかなか無いんじゃないかな。
序盤からあやふや全開で『えっ、自分の車の正確な年式も知らないの?知りたくないの?愛車ならなおさら…』と疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。乗り始める前や納車されたばかりの頃は気にしていましたが、今は極端に言ってしまえばどうでもいいです。好きではなくなったとか、なんでもいいとか、そういう事ではなく『わたしのビートルがわたしのビートルであってくれればそれで充分』なのです。
説明するのがとても難しいのですが、納車されてから一緒にいろんな場所に行って、いろんな方に会って、いろんな体験をしてきた思い出もあれば、いつも元気に遠くまで走ってくれることへの感謝もあるし、じわじわとわたしの望んだ姿になっているので、“○○年式のビートルに乗っている”ということはわたしにとって全く重要なことではなく、“このビートルに乗っている”ということが重要でかけがえのないことだと感じるようになっています。
ビートルに乗りたくてMT免許を取り、その後ありがたいことに1台目の車が今のビートル。免許を取った当時は学生だったため、帰宅してから夜な夜な乗り出して美術館の広い駐車場や近所のちょっとした山道で練習をしました。…免許取りたてで夜の山道に挑むのは怖かった。ただただ手汗が止まらなかったことを覚えています。また、教習車はもちろん右ハンドルでしたが、ビートルは左ハンドル。ビートルに乗っているとつい車線の左側に寄りがちになっていました…せっかく素敵な車に乗るならカッコよく乗りたいので、今でも寄らないように気をつけて運転してます。
今でこそビートルの調子が良ければどこにでも、文字通り、どこにでも行っていますが乗り始めて3~4年ほどはほぼ県外に出ることは無く過ごしていました。当時の職場の環境や業種的にイベントに行ける状況ではなかったため、イベント前後はいつも雑誌やSNSを指をくわえて見ることだけしかできなかったのです。転職して休みに融通が利くようになってから、それまでの反動なのでしょうか、大きく大きく振りかぶって投げたスーパーボールのようにあちらこちらへ飛び回り、様々な場所へ足を延ばしてきました。
いろんなお出かけを通して出会った人に助けていただきながら、変えたかったパーツや足したかったパーツをつけたり、お花とピンストライプをボディーに入れていただいたりして変身してきました。特に、デリンジャーさんにお花を描いていただいて、それまでは特徴のないビートルだったのにひと目でわたしのビートルだと伝わる、唯一無二のビートルに変身したことはとても大きな変化でした。わたしとビートルがふたつでひとつ、セットになったように感じてとても嬉しかったです。可愛らしく、他にはなく、わたしらしいビートルに乗れるということに、描いていただいてからもうすぐ3年という時間が経った今でもとても幸せを感じます。
車のことは好きですが詳しくはないので間違った認識なのかもしれませんが、現代の車は頭が良すぎて小さなエラーがあっても「オレはつよいからなんとかできるぜ!」と自分自身でどうにか動かしちゃう。それが積み重なって、オーナーが気づいたころにはどうにもできない状態になっているイメージ。旧車は子供のように自分の身に何か起きるとオーナーに気づいてもらえるように異音や異臭などで「たすけて!なおして!」とSOSを出すイメージ。そんなイメージや空冷ビートルはパーツがまだまだ流通しているという事実から、オーナーが手放さない限り一生乗れる車だとわたしは考えているし、おばあちゃんになるまで乗りたいと考えています。
しかし、そんなことを言っていてもやはりモノに故障はつきものです。数年前から、毎日乗りたいのに、修理をしてもらったはずなのに、不調がありだんだんと安心して乗ることができなくなっていきました。そうなるとビートルに乗ること自体がストレスに感じ、乗り換えの文字が頭に浮かんだことがあります。
ですが、やはりわたしはビートルが好きだし大切な存在感なので、永く、おばあちゃんになるまでビートルに乗っていたいのです。まだ乗り始めて10年も経っていない、たくさんの思い出がある…そんなビートルを降りるなんて決断を出来るわけがなく、多くの諭吉様にさよならを告げることを覚悟いたしました。わたしは子供がいないのですが、ビートルと一緒にいたい、ちゃんと元気になってほしいからそのためなら欲しいものを我慢して修理に出す、こういった気持ちとか行動って親の子供に対するそれと近いのかなぁと想像することがあります。
おばあちゃんになって運転するのが危なくなったらビートルはどうしよう、とたまに考えるのですが、まだ良い案が浮かんでこない。おばあちゃんになるまでに考えておかなくては。とりあえずは、ビートルが退院したら沢山お出かけをしてわが子との思い出を作ったり、貢いだりしようと思います。
街を走っていると、クラシックミニはよく見かけるんです。それからBMW MINI。こっちは山ほど見かける。水冷vwもたくさん見かける。golfやらthe beetleやらup!やら。それなのになあ、、おかしいなあ、クラシックミニをあまり見かけないなら納得できなくもないけど、クラシックミニってわりと見かけるよなぁ。街中で空冷vwを見かけたいのに。