“おしゃれ”とは

休みの日には自分の気に入っている服、靴、アクセサリーを色やシルエットなどを考えた上で身に着けたり、ヘアアレンジをしたりと、“おしゃれ”を意識して身支度をします。

それに対して仕事に行くときには、靴はビルケンだったりチャーチだったりしますが、服はほぼ上下ともにGUだし、アクセサリーはつけないし、髪はただ下ろしているだけか簡単なおだんごで一つにまとめているだけ。上下がチグハグにならないように、カジュアルになりすぎないように、ということくらいは考えて着ていますが、仕事に行く時のスタイルはわたしの中ではおしゃれではありません。

お化粧も言ってしまえば手抜き。今はずっとマスクをしているから顔の上半分だけベースメイクをして、眉を整えて、アイシャドウをのせる。これでおしまい。たかが仕事、身だしなみを整える以上のお化粧って必要？と感じているので、必要最低限のお化粧です。マスカラくらいした方がいい気もしてるけど、朝はバタバタだし、まつ毛パーマしてるし…まぁいっか。といつものメイクに落ち着きます。

仕事にもおしゃれをしていけたらいいのかもしれませんが、朝はなるべく寝ていたいわたしには早起きをしてまでおしゃれをして仕事へ行く気はほぼ皆無であること、わたしの持っている休日用の服はカジュアルで職場へ着て行ける服がほぼ無いので、おしゃれをするには満足できるものを仕事のためにお金をかけて買わなければいけないことが立ちはだかり、『会社にもおしゃれしていこうかな』と心のどこかで思っていてもこの2つに跳ね返されます。

仕事に行く時でもおしゃれをしたりお気に入りの物を身に着けたりすれば、モチベーションが上がるとか、靴であれば馴染ませることができるとか、いくつかメリットがあるとは思うのですが、先ほどの2つを乗り越えられるほどのメリットではないと感じないし、会社に行くだけ、仕事をするだけなのに綺麗に身支度をする、おしゃれをして行くということに意味を感じられないのです。

なんだかドライだなと書きながら少し自分に引いていますが、これが素直な気持ちであり、わたしの考え。

しかし、そんなわたしが

「ことねさんって、いつもおしゃれですね」

と言われたのです。

お昼をいつも一緒に食べる、まじめで落ち着いた雰囲気の同僚に言われたのですが、何をもっておしゃれだと感じてくれたのかとわたしの脳内はハテナがいっぱい。質問したくなりましたが、あまり深く聞くと彼女がどんどん小さくなっていく様子が目に浮かんだので、とりあえず「そんなことありませんよ、ほぼ毎日GUの着回しですよ」と本当に思っていることと事実を伝えました。

おしゃれをしていない、むしろ手を抜いた状態でオシャレですねと良い評価をもらうというのはなんとも複雑で、なんだか手放しで喜べない…。褒めてもらえたことは嬉しいしありがたいけど、手抜きなんだよなぁ…。

それから、ファッションに関することではないのですが、何かの話の流れで寒い時にはスティックタイプのコーヒーとかをデスクで飲んでいたことを話したら、「ええ！？そんな洒落たものを…！！」という反応をされたことがあるのですが、美味しいし楽チンで『こりゃいいな』と冬場は会社でもおうちでも飲みまくっていたわたしは、あれは洒落ているものなの…？？と戸惑ったこともありました。

ちなみにわたしのお気に入りはブレンディのカフェオレと紅茶オレ。

モノの感じ方は本当に人それぞれなので、同僚の感覚がおかしいとか変わってるとか、そんなことは思わないのですが、以前から心では思っていた　“モノの感じ方は本当に人それぞれ”　ということを『おしゃれカルチャーショック』を受けて文字面だけじゃなくてちゃんと脳内でも理解して自分自身に落ちたなあとしみじみ。

ああ、満場一致の　“おしゃれ”　って何なんだろう。

個人の感覚や好み次第だよなあ。定義が難しすぎる。不毛だからやめよう。

わたしにとってのおしゃれは、高揚感を感じられたり、自分に少しでも自身が持てたり、満足できたりするモノたちを全身に纏って、身だしなみを整えること。今、書きながら思ったのですが、ある意味『武装』。頭から足元までなので、まさにそれです。

そういえば、梅雨時にたくさん見かける、傘が周りの人に刺さりそうな持ち方の人。あれはもはや武装。そしてわたしの武装なんかより遥かに強い。つまりあの人らはとんでもないおしゃれをしていたワケなのね。

ああ、“おしゃれ”っていろいろあるなあ。